前回はパーキンソン病と嗅覚の実話を紹介したけど、実は「嗅覚の衰え」と関係があるとされている身近な話題がもうひとつある。それが認知症。今回は研究の中身より、「これを知って今日から何をするといいか」を中心に紹介するよ。

結論から言うと、「毎日、意識して香りを嗅ぐ時間を作る」だけでいいらしい。詳しく見ていこう。
この記事でわかること
- 嗅覚の低下と認知症リスクの関連(要点だけ)
- 今日からできる「嗅覚トレーニング」のやり方
- 特に試してほしい人のタイプ
- 他の香り心理学と組み合わせる活用アイデア
嗅覚の低下は認知症の”サイン”かもしれない
米国で行われた追跡調査では、においを識別するテストの成績が低かった高齢者は、5年後に軽度認知障害(MCI)と診断される割合が約50%高かったと報告されている。詳しい研究内容はこちら(ケアネット)。
もちろん、においが分かりにくい=認知症、というわけではない。加齢や鼻の病気でも嗅覚は落ちるので、「関連が示唆されている」くらいの温度感で読んでほしい。

東京都健康長寿医療センター研究所も、匂いの刺激が脳の血流を増やす仕組みを研究してる。気になる人はこの記事も読んでみて。
今日からできる「嗅覚トレーニング」
ドイツの研究者らが考案した方法をもとにした「嗅覚トレーニング」というやり方がある。バラ・ユーカリ・レモン・クローブの4つの香りを、1日2回、1つ10〜20秒ずつ意識的に嗅ぐだけ。高齢者やMCIの人を対象にした研究では、記憶力や言葉の流暢さに良い影響があったという報告もある。研究レビューの詳細(Neuropsychology Review誌)。
4つの香りを厳密に揃えなくても、好きなアロマや香水で代用してOK。大事なのは「香りを意識的に嗅ぐ時間を毎日作る」という習慣の方。

私は朝のコーヒーと寝る前のアロマオイル、で1日2回にしてる。歯磨きとセットにすると忘れにくいよ。
特にこんな人に試してほしい
- 最近「あれ、なんだっけ」が増えてきたと感じる人
- 親や祖父母など、身近に高齢の家族がいる人(一緒にやると習慣化しやすい)
- すでに香水やアロマが好きで、香りに触れる時間が日常にある人
他の香り心理学と組み合わせる
嗅覚トレーニング単体でもいいけど、他の香り心理学と組み合わせるとさらに面白い。例えば、香りが第一印象に影響するという「ハロー効果」の話と組み合わせて、人と会う前の時間に香りを嗅ぐ習慣にすれば、トレーニングと身だしなみを同時にできる。
また、香りが記憶や気分と結びつきやすいという香り心理実験の話も参考になる。「この香りは去年の旅行を思い出す」のように、香りに思い出を紐づけながら嗅ぐと、トレーニングにも張り合いが出ると思う。

前回紹介した嗅覚でパーキンソン病を見分けた女性の話も、この医学研究シリーズの一つ。合わせて読んでみて。
よくある質問
Q. 嗅覚トレーニングで認知症は予防できますか?
A. 予防できると断定できる段階ではありません。生活に取り入れやすい工夫のひとつとして、過度な期待をせずに試してみてください。気になる症状がある場合は医療機関に相談を。
まとめ
嗅覚の低下と認知症の関連、そして今日から始められる嗅覚トレーニングを紹介した。難しく考えず、好きな香りを意識的に嗅ぐ時間を、生活の中に取り入れてみてほしい。
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